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SMを詰め込んだ短編集
第6章 日進月歩の調教日記/ペット
ダイニングテーブルに置いてあったバラ鞭を手に取ると、一瞬玩具の動きが鈍くなった。期待したのだろう。頭を撫でつつ、軽くお尻に向かって振り下ろす。体制的に力の限り振り下ろすことはできないが、腹に収まった鉛玉を振動させるくらいのことはできる。
主人より先に絶頂することは絶対に許してはならないから、鞭で打たれて絶頂しそうになると玩具のスイッチを切った。波が過ぎ去ったころにまたスイッチを最大にして鞭打ちも再開する。
流石に苦しい体制のために時々口が止まると首輪を引いて促す。それでもどうしたって時々止まってしまうので、その数をカウントした。
鈴の口に精を放って飲み込ませる。噎せながらも全部飲み干した鈴の頭を撫でてやった。

「さて。口が止まってしまった回数を覚えてる?」
「はぁっ…はぁっあああん、じゅ、14かい、ですっんんんっ…」

激しく暴れまわる玩具に喘ぎながら正確に数を言えたご褒美に一度お尻を鞭で打ってやった。

「正解。じゃあ今日の数字は14ね。わかった?」
「はいっ…んああっあっ!」

玩具のスイッチを弱に切り替えて仰向けにさせる。手足をそれぞれ椅子の足に括り付けて、道具を取りに一旦その場を後にした。

いつも何かしらの数をカウントして、それを調教に使っている。今日は14…どうしようかな。今日3回出してしまっていて、ここから14回出すのは流石の俺でも人体の構造上無理だ。…ああそうだ、これがいい。鈴はこれが大好きだし。あとは、これとこれと…

大切な人への誕生日プレゼントを選んでいる気分であれこれ手に取って、ダイニングへ戻った。
俺は何も言っていないのにちゃんと玩具をふたつとも咥え込んで待機しているその健気さに一層愛しさを覚える。

「おまたせ。良い子にしてたね。キスしてあげようね」
「はい、嬉しいですっ…!」

キスが大好きな鈴は喜んで舌を出した。唇に触れて舌を絡める。うっとりと目を閉じて舌を差し出す鈴が可愛くて、つい目的を忘れるところだった。ああ、14秒とかにすればよかった失敗。
唇を離して微笑んでやると、あつい息を吐いて光悦の表情の鈴が笑った。
愛しています。濡れた唇で囁く。ああなんてかわいい俺のペット!

「まずはこれね」
「はいっ…!」

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