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愛おしいキミに極甘な林檎を
第34章 アナタを信じているから……

場の空気が悪くならないように仕方なくマイクを握って好きな曲を入れて歌う。
一体、この二人は何のためにカラオケに来たんだ。
しかも私が先陣を切っても歌わないで聞いているだけ。歌ってっと頼んでも歌わない。
私だけが歌う何も変わらないこの状況に眠くなってきた。
こくんと寝落ちしそうになっているとソラ先輩にゆっくりと体を倒されて長椅子に横になった。
「んっ……」
肩に触れられたのが気持ち良くて際どい声を出してしまうとソラ先輩に耳元に近づかれた。
「エッチな声を出すのは禁止だよ」
カラオケのモニター音と隣の部屋の唄声が聞こえる中、低い声で囁かれた声がはっきりと聞こえてドキッとする。
それでもお酒を飲み過ぎてやってきた眠気には敵わなくて私はゆっくりと瞼を閉じた。

