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愛おしいキミに極甘な林檎を
第35章 ひとりの時間に……



「この前、風子さんが言ってくれましたよね?大切な人のためならなんでも頑張れると……。だから僕も弟と妹のために本気で頑張ってみようと思いました。

千十郎様にもいつまでも頼っていてはいけないと思いますので」


「でもそれでは祖父がひとりになってしまうんじゃ……」



「僕が通いますので安心してください。実は、お盆に千十郎様の親族の方が訪ねてくるのですが僕らがいるといい顔をされないんですよ」


「一緒に住んでいて祖父の世話もしているのに……?」



「何の繋がりもないんですからそう言うものです」


前に私が颯太に言われたことと同じ、他人だから……か。


「お客様がいらしている間、弟や妹のように風子さんも自分の部屋にいた方がいいかもしれません。
一応、風子さんは隠し子みたいなものですし。……僕と結婚するなら別ですが」


「あはは……。部屋にいます」


ずっと同じ状況ではいられなくて少しずつ変わっていく。


そこに取り残されている祖父が可哀想に見えたけれど、私の一番大切な人はソラ先輩だからどうする事もできない。

目をつぶって前に進むしかないんだ……。


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