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愛おしいキミに極甘な林檎を
第35章 ひとりの時間に……



次の日の朝。起きてからスマホを確認するとソラ先輩からメッセージが届いていた。


【やっとフランスに着いたよ。日本より涼しいね】


シンプルな文と添付されていたフランスの街並みの写真を見て笑顔になる。

とりあえず飛行機が無事に着いたようでホッとした。



着替えてから台所に行くと食欲をそそられるいい匂いがして、理人さんとその妹がいた。


「おはようございます。起きるのが遅いから風子さんの分の卵焼きを一個取られちゃいましたよ」

「風子おねえちゃん一緒に食べよう」


鮭のムニエル、厚焼き玉子、ほうれんそうのおひたし、白いご飯と味噌汁の文句ない朝食セット。


祖父の家にいる時にいつも朝食を作ってくれていた理人さんには頭が上がらない。



お盆が過ぎればここに泊まることもないだろうし、この光景を見るのも最後だと思うとなんとなく寂しい気もした。




朝食を食べ終えてから台所で片づけをし始めると妹がどこかへ走って行って理人さんと二人っきりになった。



「ところで塑羅緒さんは無事に着きましたかね?」


「着いたってメッセージが届いてました。あの……、この前一緒に飲んだ時に彼氏と何を話していたんですか?」


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