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愛おしいキミに極甘な林檎を
第5章 本物の愛を探して…

華麗な包丁さばきに時間を無駄にしない手際の良さ。
まるで厨房にいる料理人を見ているようだった。
出来上がりを見てもきれいに盛り付けしてあるし、料理好きの私より断然上手い。
「見掛けによらず料理ができるんですね。すごいです……」
「お嬢様、見ていたんですか。料理は毎日してますし、このくらい普通です」
「ここ最近もやししか食べてなかったからすごく豪華に見えます……」
驚きながら立っていると後ろから誰かにスカートをくいっと引っ張られた。
「お姉ちゃん誰?兄ちゃんのお嫁さん?皆でご飯食べようよー!」
視線を下げると小学生低学年くらいの男の子がいて、満面な笑みで声を掛けてきた。
さらにその子の後ろには猫のぬいぐるみを抱いた小さな女の子がいた。
もじもじして構って欲しそうに私を見てくる。
「その方は千十郎様の大切なお嬢様なんですから困らせちゃダメですよ。あ、二人は僕の弟と妹です」
「兄弟!?瀬戸内さんの子供じゃないんですか?」

