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愛おしいキミに極甘な林檎を
第5章 本物の愛を探して…

台所を借りてクッキーを作ってあげると、幼い二人は美味しいと言って全部食べて喜んでくれた。
今日は色んなことがあって気が休まらない日だったけど、幼い二人の笑顔を見ていると私も自然と笑みがこぼれた。
「ありがとうございます。弟と妹の喜んだ顔を見れて嬉しかったです」
とても幸せそうに微笑んできて私まで心が温かくなる。
「いえ、喜んでもらえて良かったです。……瀬戸内さんたちはここに住んでるんですか?」
「はい、そうです。僕は税理士で元々は千十郎様の相談役だったんですけどね、両親が亡くなってから兄弟共々ここで世話になっているんです」
「えっ……。そうだったんですか……」
最悪だった瀬戸内さんのイメージがほんの少しだけ変わった。
無愛想だけど、ちゃんと人間みがあるんだなって……。

