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愛おしいキミに極甘な林檎を
第39章 キミに告げる愛



「うーん、思い当たる節がなくて……。私にはどうしても話してくれないんですよね……」


しょんぼりしていると課長は書類をまとめて帰る準備を始めた。


これ以上何も聞けないと思って私も帰ろうとすると柔らかな視線を向けられる。



「そこまでして話さないということは、乙羽に今のような顔をしてもらいたくないからだと思うぞ」

「えっ……」


指摘されたような気がして急いで私はいつもの表情に直した。

それが面白かったのか課長が少し笑う。



「大切な人にはいつでも笑顔でいて欲しいものだ」

「…………」


ソラ先輩も同じことを言いそうだと思った。


欲しい物を聞いたら、何もいらないと言うのはこういう意味なんだろうなと思う。



だから私は帰ってから笑顔で出迎えた。

そうすると玄関のドアを開けてから見えた疲れた顔もすぐに明るくなってくれる。


でも本当にそれだけでいいのか不安だった。

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