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愛おしいキミに極甘な林檎を
第39章 キミに告げる愛



課長は傘もささずにその資料を車に取りに行ってすぐに戻ってきた。


今渡さないといけない書類なんてあっただろうか。

毎日会社で会えるのに……。



「来週にある出張の申請書を月曜日までに書いてきてくれ」


「あっ…、あー……。私も出張があることを忘れてました。わざわざありがとうございます」


申請書が入ったクリアファイルを手渡された時、後ろにいるソラ先輩の気配がなんとなく怖かった。


きっと笑顔でいるだろう。

でもその笑顔には別の意味が含まれている。



「どうやら今回は菊さんは行かないようだ。だからオレと乙羽の二人で行くことになる」


「えっ!?そうなんですか……」



「またオレと二人っきりは不満か?」


「仕事の勉強をしに行くだけですし、何も気にしてません。ただ仕事のですし……」


なんとか必死で言い訳するけど、多分ソラ先輩は不満だろう。


この状況で仕事の話をされるとヒヤヒヤする……。


でも幸いなことにそれだけ言って課長はまた車に走って戻り帰って行った。



「婚約を破棄してからも会社では郁哉さんに相当気に入られているんだね。可愛い部下か……」


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