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愛おしいキミに極甘な林檎を
第39章 キミに告げる愛

嬉しくなって振り向こうとすると視界を手で塞がれて驚く。
人違いだっただろうかと少し不安になった。
「おまたせ。こっちを振り向かないでそのまま前を歩いて」
でも声を聞いてやって来た人が間違ではないことを知って笑う余裕ができた。
「ふふっ、どうしてですか?」
「いいから」
気になるけど言われた通りに私は後ろを向かずに前に進み、防波堤を下りて砂浜を歩く。
凪いでいる海面と打ち寄せる静かな波に目を向けながら……。
「一人旅は楽しかった?」
「はい。私のためにわざわざプランを練ってくれてありがとうございます。
ひとりだとどこに行っていいのか分からなくて時間を有意義に使った気がしないので助かります」
「それは良かった。でもひとりで歩いていて男に声を掛けられなかった?」

