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愛おしいキミに極甘な林檎を
第39章 キミに告げる愛

相変わらず過保護だ。
「今日声を掛けてきた男の人はあなただけですよ。……ソラ先輩」
「誰にも捕まってないなら安心したよ」
「心配しすぎです。捕まえにくるような人なんていませんよ」
「可愛いから心配しているんだよ。あと、問題の答えは分かった?」
「簡単だったから分かりました。優しいんですね」
「もう少し難しくすれば良かったかな」
「そこまで意地悪しないでくださいよ。羽を伸ばしたい日に考えるのにちょうどいい難易度です」
波の音を聞きながら他愛のない話をして緩やかな時間が流れる。
でもいつになったら振り向いていいのか、うずうずしながらしばらく歩いた。
近くで海を見ている人は他に見当たらないからまるで貸し切り状態のようだった。
夕陽で橙色に見える綺麗な海の方に視線を移してその時を待つ。
「止まって。……もう、見てもいいよ」
言われた通りに立ち止まってから声がする方へゆっくりと振り向く。
私の後ろを歩いていたソラ先輩の姿が瞳に映ると一瞬、息が止まった。

