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愛おしいキミに極甘な林檎を
第39章 キミに告げる愛

ソラ先輩が両手で抱えている物は見たこともない大きさの花束。
薄暗いけど僅かな陽の光でその花の色が深紅だということが分かった。
気品が漂っている華やかな香りがほんのりと潮風にのって届く。
「受け取ってくれるかな?」
「いいんですか!?もしかして今日のご褒美?」
「……うん。ご褒美になるといいな」
渡そうとしてくれるソラ先輩から私は迷わずそっと受け取った。
ここまで大きな花束をもらってみたい憧れがあったから目の前が輝いて見えて胸が弾む。
「すごいです!夢でもここまでの本数を見たことないですよ。これは何本あるんですか?」
「それはね、……百八本あるんだ」
「わあー!よく数えましたね。こんなにたくさんのバラを見せてくれてありがとうございます。人生で初めてです」

