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愛おしいキミに極甘な林檎を
第39章 キミに告げる愛

「一度だけしかあげることができないから風子にプレゼントしたかったんだ」
「ありがとうございます。とっても嬉しいです。この本数は贅沢なので一度だけしか見れませんね!帰ったら写真を撮らないと」
大きなバラの花束に何度も目を向けてはしゃぐ私をソラ先輩は柔らかな笑みで見守ってくれていた。
記憶を失くしたと伝えてから私の知らない物を見せてくれる。
付き合ってからその機会はたくさん増えて、空っぽだった私の心を埋めていった。
今も宝物がもうひとつ増えて満たされた気分だ。
バラの香りを嗅いで満足げに微笑んでいるとソラ先輩が海の方を眺めて私も同じ方に目を向けた。
「今日で付き合って五年目だね。覚えてた?」
「……もちろん忘れてませんよ。だからここに来たんですよね?」

