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愛おしいキミに極甘な林檎を
第40章 婚約者として……

「もしかして、この前教えたことを試してる?」
「教えた事ってなんですか?」
「プラシーボ効果だって教えたかな」
図星をつかれてぎくりとした私は目を見開く。
「なっ…、なんのことでしょうか?私はただ本当に効くから作っているまでであって……」
ここでバレてしまってはプラシーボ効果の意味がなくなってしまう。
だけどこれ以上なんと言い訳をすればいいか思い浮かばなくて目が泳ぐ。
椅子に座っているソラ先輩の隣で焦りながら立っているとこちらを向かれて両手を優しく握られた。
包んでいる大きな手はどちらも温かい。
見上げてくるソラ先輩に視線を落とすと真っ直ぐな瞳を向けられて、嘘をついていたことに罪悪感を感じた。仕方なく私は観念する。
「……当たりです。ソラ先輩の右手を良くしたくて……」
「俺の事を思って一生懸命に考えてくれてありがとう……」
照れながらもこくんと首を縦に振った。
「でもこれはね……、多分…一生付き合っていくものかもしれないんだ」

