この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第40章 婚約者として……

「えっ……。治らないんですか……」
「良くなるとは思うけど。……完治は難しいって」
その言葉が信じられなくて聞いた瞬間何も考えられなくなった。
僅かな希望を抱いていたのにその光が遠く、小さくなる。
気づいた時には滲んですらいなかった涙が頬を伝っていて急いで指先で拭った。
「ごめん…なさいっ……」
どうして何も悪い事をしないで真っ直ぐに生きている人がこんな目に遭わないといけないんだろう。
罰を受けることなんてなにもないのになんで……。
心の中で運命を、神様を恨んだ。
大好きな人が傷ついていく姿を見ているのが悲しくて涙を止めたくても零れてくる。
泣きたいくらいつらいのはソラ先輩であって、私は笑顔で励ましてあげないといけないのに……。

