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愛おしいキミに極甘な林檎を
第41章 あなたがいない



「ご自分の方を心配をしてください。ひとりで生活なされるのは大変でしょうから」



「今まで一人暮らしはしたことがなかったのでこんな感じなんだなって知りましたよ。

最近はご飯を買って食べたり適当に済ませていたので、今日は母の料理を食べることができて嬉しかったです。

誰かと食べるご飯ってこんなに美味しかったんだなって改めて思いました」



残っているビールが飲めなくなる前になくしてしまおうとごくごくと飲む。


コオロギの鳴き声が聞こえてくる中、この縁側にも綺麗な丸い月がほのかな光が届く。


太陽の光からは元気をもらうけど月の光を見ていると寂しくなる。




「当分晩御飯を食べに来られてはどうでしょうか。皆さん喜ぶと思います」


「はい。またお世話になろうと思います。今晩食べた料理を作ってみたいので教えてもらいたくて」



「向上心のある風子さんの手料理を食べれる方が羨ましいです」


「どれだけ褒めてもなにも出ませんからね」



「兄として言っているんです。……もうなにか出して欲しいなんて思っていませんよ」


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