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愛おしいキミに極甘な林檎を
第41章 あなたがいない

その瞬間、ほんのり甘くて清楚感のあるいい香りがした。
かっ…、可愛い……。
課長の後ろから姿を見せた人は、私よりも背が低くて華奢な女性だった。
スリムな体型はスーツを綺麗に着こなしていて、歩くと一つに束ねている癖のない髪がさらりと揺れる。
目もぱっちりとしていて男性の養護欲求をそそりそうだ。
「鈴川(スズカワ)と申します。短い期間ですがお世話になります。よろしくお願いします」
「指導は陸田に任せるが、乙羽もサポートしてあげてくれ」
「はっ、はい」
可愛い女の子と一緒に仕事ができるようになった陸田さんは喜んで教えていた。
しかも私と話す時と大違い。
仕事の合間に飛んできた無駄話によるとどうやら鈴川さんには彼氏がいないらしい。
それによって独身男の恋心に火をつけたようにも思えた。
時間が経つにつれて仲良くなっていく陸田さんと鈴川さんに課長が時より視線を送る。

