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愛おしいキミに極甘な林檎を
第41章 あなたがいない

「すみません、乙羽さん。この印刷の仕方を教えてください」
「はい。えっと、鈴川さんのパソコンはこっちのプリンターを使って――――」
陸田さんがいない時に仕事を教えてみたけど、迅速で間違いなく仕事をこなしていて頼もしい。
気持ちを切り替えられなくてミスをしてしまう私の立場が危うくなる。
「鈴ちゃん。これコピーしておいて」
さらに会社に来てまだ三日しかたっていないと言うのに、陸田さんと同僚からはあだ名で呼ばれていてもう馴染んでいる。
一方、私は鈴川さんのことをちゃん付けで呼べるほどまだ話をしてない。
なんだかこっちが空気を読めないみたいだ。
「花城課長、ここの集計はどうしたらいいでしょうか。聞いて来いと陸田さんに言われたので」
「とりあえずこっちも合わせて計算して円グラフにしておいて欲しい。……できるか?」

