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愛おしいキミに極甘な林檎を
第41章 あなたがいない

「はい。前の会社でやっていましたもので」
「鈴川さんはすごいな。オレなんて入社当時は全然分からなかった。電卓で計算して円グラフを作ろうとしたら怒られた」
「あはは。花城課長の方がすごいですよー」
そんな中、課長も「鈴川さん」っと呼ぶのがまだ救い。
だけど課長とも既に馴染んでいるようにも見えた。
このお淑やかに笑うところと社交性、私は彼女から見習わないといけない点が多々ある。
陸田さんと鈴川さんが席を外した後、肩を落としていると課長が私のデスクにやって来て何かのチラシを置いた。
「憂鬱そうだな。気晴らしにこの勉強でもどうだ?」
はっきり言って勉強をする気分ではない。
でもひとりで家にいるとすることがなくて退屈な時間はある……。
とりあえず置かれたチラシを手に取って見てると“秘書検定”と書いてあった。
「資格ですか……。これで社長秘書になれたりするんでしょうか?」
「乙羽は社長秘書を目指しているのか?」

