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愛おしいキミに極甘な林檎を
第41章 あなたがいない

興奮も治まらなくて頭の回転が鈍る。
被っていた白い布をダンボールにかけようとすると少し開いていた。
隙間から覗いてみると入っていたのは大量の熊の木彫り。
この熊の木彫りが出現した時に関わっていた人はあの人しかいない。
まるで自分の予想が当たっていることを物語っているような気がした。
ダンボールを閉じてからまた静かになると雨が降ってきた音が聞こえてくる。
折り畳み傘はデスクの中に入れていたから取りに戻ってから帰ろう……。
職場に戻るとパソコンに向かって仕事をしている課長しかいなかった。
歩いた時に鳴るヒールの音で私の存在に気付いて顔を上げる。
「どうした乙羽?まだ帰っていなかったのか」

