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愛おしいキミに極甘な林檎を
第41章 あなたがいない

あと二歩進めば触れられるところまで距離を縮められた。
「いつもではないがそう見える」
職場で寂しい顔をしている理由はどちらかというと鈴川さんのことでそう見えているんだろう。
だけど、教える立場の私が避けられているなんて言いづらい。
鈴川さんは仲が良さそうだから尚更。
困ってしまうと課長は今度は私の顔を覗いてくる。
「顔が赤いな」
「えっ!?そうでしょうか……」
「なんだか息も少し荒いように見えるから熱があるんじゃないのか?」
「ねっ…、熱はないですよ。喉も痛くないので風邪は引いてないです」
先程見たセックスのせいでまだ性的興奮が治まっていないせいだ。
見てはいけないものを目にしてしまったことがバレないうちに帰りたいのに、目の前に課長がいるなら逃げられない。
「熱がないのなら安心した。……乙羽。オレが触りたくても触られるのは嫌だろうから言うが……」
「はい……。なっ…、なんでしょうか……?」

