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愛おしいキミに極甘な林檎を
第6章 結婚相手

抱き締められてもロボットのようにカチコチに固まって無反応を貫いてやる。
そして触れられても感じる仕草を一切見せないで無言と真顔でやり過ごす。
ハグをされるくらい酔ってるから勢いで乗り切れそうだ。
もう眠いからやる気がない演技をするのにも自信があるし、理人さんがそうと分かればすぐに萎えるだろう。
「気が変わるのが早いですね。では遠慮なく……」
「…………」
両腕を掴まれたから最初は抱き締めてくるかと思いきや、いきなり唇が触れた。
まさかキスから始めるとは思っていなかった。
感じない……、感じない……。
何の特別さも感じないし、このくらいなんともない……。
自己暗示をかけながらぎゅっと目を閉じてキスが終わるのを待つ。
でもその気持ちとは裏腹に鼓動は煩かった。

