この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第41章 あなたがいない

ドアノブを捻って開けて出ようとした時、ドアの向こうでドンッと何かに当たった。
何か障害物が置かれている気がして恐る恐る外に出てみる。
「風子さん、おはようございます。僕です」
「理人さん!?いきなり開けてすみません……。どうしたんですか?」
ぶつかって痛い思いをしたのか理人さんは真顔で立っていた。
「仕事に行く前に会えて良かったです。今晩渡しに行けないので事務所に行く前に来ました。
これ、フルーツの盛り合わせですので新鮮なうちに食べてください」
渡された小さな箱に入っていたのはブルーベリー、いちご、オレンジ、キウイフルーツだった。
「わあ!ありがとうございます。これならフルーツタルトを作ることができそうです。……りんごは……ないんですね」

