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愛おしいキミに極甘な林檎を
第41章 あなたがいない

「りんごが欲しいんですか。それでしたらちょうど――」
「いえいえ、気にしないでください。わざわざありがとうございます。嬉しいです」
思わぬ収穫に頬を緩ませながら会社に行って、気分良く仕事をする。
昨日までとても忙しかったから今日の職場の雰囲気は穏やかだった。
でも陸田さんの後について歩く鈴川さんは私に相変わらずの塩対応だ。
挨拶を返してくれるだけいいと思うことにしよう。
午後になって一息ついた後、課長が私の元にやってくる。
「乙羽、書類作成で使った資料をまとめて片付けておいてくれ。思いの外、皆が多く出してくれたからな」
「分かりました。任せてください」

