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愛おしいキミに極甘な林檎を
第42章 獣欲と甘い果実

その言葉を聞いた瞬間、作業をしていた手がピタリと止まる。
遂に結婚するんだ……。
私じゃない人と婚約したんだ……。
実際に課長の口からそれを聞いたらなんだか寂しい気もするけど……――――
「おめでとうございます。結婚されると聞いてびっくりです。それで結婚はいつでしょうか?」
素直に祝福できるから笑顔で質問する。
「式はやらないようだ」
「そうですか。……結婚相手は鈴川さんですよね?」
「ああ。どうして分かったんだ?」
「女の勘というやつです……っというか見ていれば分かりますよ。だって好きそうにしてましたもん。そのうち付き合うんじゃないかなっても思いましたし」
「なるほど。女の勘はすごいものだ」
「職場の皆は知っているんですよね?お祝いに飲み会とか開くのはどうでしょうか」
「いいと思う。聞いておくな」

