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愛おしいキミに極甘な林檎を
第42章 獣欲と甘い果実

「ふふっ、子供は何人欲しいとかあるんですか?課長はきっと優しいお父さんになりますよ」
休めていた手を動かしながら惚気話を聞き出す。
私も惚気てしまうことがあったから課長の話も聞いてあげたい。
「何を言っているんだ?」
「……はい?」
積み重なったファイルから必要な書類を探していた時に意外な回答が返ってきて再び手が止まる。
振り向くと課長は真顔で私を見ていた。異様な光景に首を傾げる。
「結婚するのはオレじゃなくて陸田だ」
「へ……、陸田さん……?課長が結婚するんじゃないんですか!?」
「どうしてオレなんだ?」
「えっ……?だって課長は鈴川さんのことを好きなんじゃ……?鈴川さんだって課長のことを……」
「だから何を言っている。オレは鈴川さんのことは仕事仲間としか思っていないし、鈴川さんの好きな人も最初から陸田だったぞ」
「ええー!?でも二人っきりで話していることもあったじゃないですか。女子更衣室にも行ってあんなことを……」

