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愛おしいキミに極甘な林檎を
第42章 獣欲と甘い果実

「二人で話していたのは陸田のことを聞かれていたんだ。好きなタイプや趣味などな。
あと、陸田からも相談を受けていたんだぞ。
女子更衣室には行ってないが、そこで何かあったのか?」
一切表情を変えない様子から考えると知らないようだ。
もしかして、鈴川さんは社内恋愛仲間が欲しくて私が課長のことを好きだと言うのを期待していたということか……。
つまり鈴川さんと女子更衣室に一緒に入って来てセックスをしていた男は課長ではなく陸田さんだった。
「一体、女子更衣室で何があったんだ?」
「熊の木彫りのことを言ったじゃないですか。女子更衣室の出来事はそのことです」
話が繋がらないけど無理矢理通した。
結婚が決まっておめでたいのに、男女の営みが別の場所でも行われていたことを課長に教えるのは酷だ。
「それにしても陸田さんは結婚したそうにしていましたから良かったですよね。後輩としても安心しました」
「ああ。入社した当時から嘆いていたから本当に良かったと思う。……部下の頑張っている姿を見ていたらオレも変わりたくなった」

