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愛おしいキミに極甘な林檎を
第42章 獣欲と甘い果実



「はい。私よりも料理が上手い兄も一緒に連れていきますね。色々と知っているので役立つことを教えてくれると思います」



「乙羽にお兄さんがいたのか……」


「祖父の世話をしていた理人さんです。理人が養子になったので、兄のようなものになりまして」



「瀬戸内くんがそうなったのか……。それならサボらずにしっかりと勉強できそうだ」


遠回しに二人っきりでは会わないことが伝わったのか少し苦味があるような笑い方をされた。


次の幸せを課長が見つけられるように私が線を引いていく。


でも避けるつもりはないから普通の関係を維持していくだけだ。


「いつ、どこに引っ越すんですか?もしかしてうちの近くとか」


「前よりは近いが車で通う範囲の場所だ。急になったが今週の土曜日に引っ越す」


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