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愛おしいキミに極甘な林檎を
第43章 これからもあなたと一緒に……

久しぶりに聞いた「おかえり」に瞳が潤んだ。
当たり前になりかけていた存在が今ではかけがえなのないものだったと思える。
離れてみて前よりも一緒にいる時間を大切にしようと感じた。
無事に退院してきた喜びを込めて、私はソラ先輩にぎゅっと抱きつく。
胸元に顔を埋めると頭を撫でてもらえて甘えん坊モードに切り替わる。
「帰って来てくれて嬉しいです。夜とかひとりで寂しかったんですよ」
「いっぱい迷惑をごめん。今日からまた一緒に寝ようね」
「最近寒いので丁度いて欲しかったところです。退院できたってことは右手の痺れも治ったんですよね?」
この話題を切り出すと表情が曇っていた。
バッグを下ろしてジャケットを脱ぐ間、その返事も返ってこなくて私はソラ先輩の顔を覗く。
「やっぱり…治らないんですか……?」

