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愛おしいキミに極甘な林檎を
第6章 結婚相手

しかし、午後からは仕事が多くなって呑気に妄想に浸っている暇はなかった。
書類を他の課に提出しに行き、急いでミスがないか確認したり、バタバタとしていて忙しい時間を過ごした。
こんな疲れた顔でデートをするのは申し訳ないから一旦仮眠を取りたいくらい。
でも、仕事さえ終われば楽しみがあるおかげでこの疲れも吹き飛ぶはず……。
もうすぐ定時になる頃、私は課長に別室に呼び出された。
食事に誘った時は喜んでくれていたのに、今は浮かない顔つきでなんだか不安になる。
「乙羽、ちょっと話がある」
「はい……?」
「実は今晩、他の課の人に飲みに行かないかと急に誘われたんだ。久しぶりに同期の皆で集まるらしい」

