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愛おしいキミに極甘な林檎を
第44章 愛の結晶



心の中ではそう思っていても、奥底では不倫をしているんじゃないかと疑う自分もいてその晩よく眠れなかった。


朝になった時には肌の調子が悪くて化粧のノリも悪かった。



「眠そうだけど大丈夫?転ばないか心配だし、途中まで一緒に行こうか?」


「大丈夫れす……。仕事に行ってきまふ……」


脳がまだ眠っているのか上手く呂律が回らず、瞼が重いまま玄関を出る。


ドアを閉めて歩き出した時、隣の部屋の前に立っている人がいた。

隣の住人を初めて見た。


鍵を開けてドアノブに触れていたのは細身でぼんやりとした目の若い男。


「…………」


「あっ、おはようございます」


目が合ってしまったから私は急いで挨拶する。


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