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愛おしいキミに極甘な林檎を
第44章 愛の結晶


「おはようございます……。挨拶が遅れましたが、この前隣に引っ越してきた雪原(ユキハラ)です……」


外見はイケメンに分類される方に見えて大人しそうで声は静かだった。


ルーズパーマをかけた長めの後ろ髪に触れながらお辞儀をされて私も頭を下げる。


「えっと、乙羽です。これからよろしくお願いします」



いずれ苗字が変わる予定だけどまだ結婚してないから素直にそう名乗った。


このマンションは近所付き合いがないから関わることはなさそうだけど……。



「お姉さん、二人暮しですよね……?しかも会社員の男と住んでる」


「はっ…、はい。そうですけど……。どうして……」



「こんなことを聞いてすみません……。一緒に入っていくのを見たことがあったので。……では、失礼します」



もう一度頭を下げて男は自分の部屋に入っていった。
男の不気味さに私は目が覚めた。


失礼なことは言われていないけど男の印象はまるで凍ったような空気感だった。



でも今は隣人よりソラ先輩のことだ。


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