この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去

「だって、ここは結婚するあなたたちが二人で乗り越えるところでしょ?」
「……そうですよね。頑張ります」
「うん、頑張って。わたしも夫のために料理を頑張るから。夫の病院にいる若い女には負けていられないからね」
「塑羅緒さんのお父さんはモテそうだと思いますけど、不安になったりしないんですか……?」
「若い頃はそんな時もあったけど信頼してるからないかな。付き合いも長いし、よそ見してないことなんてよく見れば分かるものよ」
「なるほど……」
丁度よくオーブンレンジの音が鳴り、ミトンをつけて熱い天板をゆっくりと取り出す。
できあがったクッキーはとても美味しそうに焼けていた。
食べたら太ってしまう時間帯にも関わらず、私はソラ先輩のお母さんとそのクッキーを味見して笑い合った。
部屋に戻ると一旦起きたのかソラ先輩がパジャマを着て寝ている。
音を立てないように気をつけて隣に行き、私も眠りについた。

