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愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去

「……愛か。それならよかったな」
やっと腕を離してもらって不機嫌になりながらもついて行く。
でも颯太は途中で立ち止まっては周囲を見渡し、スマホを見てどこかの店を探しているようだった。
「カラオケ店がねえな。道を間違ったか?」
「今更、私と歌を歌いたいんですか……?そんなテンションはないんですけど……」
「違う。二人っきりになれるって言ったらそういう場所しかねえだろ」
「そこがあります。広ければ誰にも聞かれないでしょ」
丁度近くに広い公園があったからそこを指を差した。
遠い場所に遊びに行った時にエスコートが上手くできないところは変わっていない。
付き合っていた時も外のデートは私が率先して店を探したりしていた。
自ら引っ張っていきたい女には向いているだろうけど、引っ張ってもらいたい私にとってこの点は不満だった。
もう昔のことで、恋人でもない今はどうでもいいけど……。

