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愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去



公園内に入ってから空いていたベンチに座ってから一息つく。


髪を揺らすほどの風が吹いた後、黙っている颯太に私から話を切り出した。



「それで、何の用でしょうか。私とソラ先輩を引き離すってことは旅行というのは嘘ですよね?」



「本当だ。那砂さんの失恋慰安旅行に来たんだよ」



「失恋というと……、理人さんに告白したってことでしょうか……?」


「ああ、そんな名前の男だったかな。これで本気で告白して振られたのは八回目らしい。すげえショックを受けていたから慰めるのが大変だった」



電車内で話した時には元気そうだったのに……。


きっとまた理人さんにさらりと断られたんだろう。その光景が目に見える。


でも本気で恋をしているんだからくだらないとは思えない。

寧ろ、折れない心がすごいなと関心してしまう。



「それで?」っと話を問い詰めるように視線を向けると颯太はベンチから立ち、近くにあった自販機へ行ってジュースを買ってきた。



「まだミルクティーは好きか?ほら」


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