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愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去



「は?」



「惚けないでください。私…、余命のことを聞いてからいつソラ先輩がいなくなってしまうか不安で、毎日毎日苦しくて…つらかったんですよ……?

あの恐怖は今でも忘れません。……だからこんな嘘をつくなんて酷いです」


喉の奥が苦しくなってきて俯きながら両手で温かい缶をぎゅっと握った。



「どっちにしろあのまま疲れ続けていたら早死にするだろ。だからおまえには大丈夫だと軽視するよりも悪く言っておいた方がいいと思ったんだ」



「縁起でもない事を言わないでください。例え、軽い風邪を引いてもすごく心配するに決まってるじゃないですか。私にとって大切な…かけがえのない人なんですから」


どんなに離れていても心の中で長い時間想っている人は一人しかいない。

今だってすぐに話を終わらせて会いに行きたいくらいだ。




「余計なお世話かもしれねえけど……オレは塑羅緒が倒れたことを利用しておまえに伝えたかったんだ」


「何をですか……」



怒り混じりに聞くと颯太はコーヒーを飲んでから切なげな顔をして近くにある池の方を眺めた。


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