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愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去

「…………」
「なあ、付き合って一年半が過ぎた頃。何をしていたか覚えてるか?」
眉をひそめて颯太と過ごした記憶を蘇らせる。
私にとってはパッと思い出せないほど遠い昔の出来事になっていた。
「一年半……、よく思い出せませんけど冷められたのかと思って嫌われないように必死だったと思います」
「そうだよな……。風子は健気にオレの言うことを聞いてなんでもしてくれていたな。
一緒にいる時間が長くなるうちに、おまえのことを空気のように当たり前にいる存在だと思うようになってた。
だから何をしても風子はオレから離れねえと思って甘えていたんだ……」
「それで浮気したんですか」
「ああ……、何度謝ってもいい。ごめんな……」
「……もういいですよ。今の私たちには関係ありませんし」
別れた直後の自分が嘘だったかのように今は未練が全く残っていない。

