この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去

本題を聞いていたのなら心穏やかじゃなかったんだろうな……。
結果は合流できてから分かっていたと思うけど。
「好きだったって、私を諦めて前に進むって言われました。これからは親戚として付き合っていこうって感じです。結婚することも伝えましたから」
「そうか。颯太には悪いけど何もなくてよかった……」
「何もありませんよ。婚約したじゃないですか」
ソラ先輩は安心しているようだけど、那砂さんと颯太に言われたことが忘れられない私は新幹線に乗っている間に窓を見ながらずっと考えていた。
このままでいいのかと……――――
午後十一時を過ぎた頃、家に着いて風呂を済ませて一息つく。
普段よりも歩いたから足が痛い。
ソファの上で足を伸ばしてマッサージをしていたら、ソラ先輩が隣に座って来て代わりに足の裏を揉んでくる。
「ふふふっ、くすぐったいですってば。あっ…、それ……、ああっ…、痛くて気持ちいいです」

