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愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去

「曖昧なほど記憶に残りにくいから。後々、この話題を引き出されてからかわれないようにね」
「なるほど。そこまで計算していたんですか」
「そもそも他人に話すようなことではないよ。……セックスのことは俺と風子しか知らない特別な時間だろ」
支配するように不敵に笑う表情も、向けてくる強い視線も私だけに見せてくれる特別なもの。
他の誰も知らないこの姿をこれからも独占し続けていけると思うと胸が温かくなってくる。
でもこの上下関係をなくした方がいいのか迷いがある。
恋人になってから超えられる壁なのに未だにはっきりと決められない。
ソラ先輩は私を同等に見てくれているけど、私は彼を上に見ている。
敬ったままでは不満……?
目を細めた私はソラ先輩の頬を両手で包んでそっとキスをした。

