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愛おしいキミに極甘な林檎を
第46章 主従関係



「出掛けるまで余裕がありましたし、すぐそこだから……」


「わざわざありがとうございます。では……」


玄関のドアの鍵を開けて入ろうとすると、まだ用事があるのか雪原さんは私の方を見ていた。


「なんでしょう……?」



「……お姉さんって皮膚が荒れやすいの?」

「へっ?」



「もうすぐ冬なのに虫に刺されたみたいに首筋が赤くなってる……」


昨晩、ソラ先輩につけられたキスマークがバレてしまいドキッとする。

しかもどうやってつけられたか知っているような言い方に身構えてしまう。



「困らせてしまいすみません。このマンションには寒い時期でも虫がいるのかなって思って。

……でもソレは大切なものにしかつけませんよね。……失礼します」


頭を下げてから雪原さんはエレベーターの方へ歩いて行った。



忠告か、冷やかしか……。


前よりも大きな声を出さないように気をつけているけど、セックスをした時にまだ私の声が隣の部屋に聞こえているのか疑わしくなった。


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