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第46章 主従関係

「風子がそう言う気持ちならできていたんじゃないかな。どっちが話しやすい？」


「……いつもの方がしっくりくるかな。今までずっとそうだったし……、やっぱりソラ先輩って呼んじゃうから……」



「そうか。……もう終わっていいよ」


ゲームを終える声が寂しそうに聞こえて、心配になった私は体を向き合わせてソラ先輩に寄り縋った。


惜しむような感じがしたから、友達口調のままでいて欲しかったようにも思える。


いつまでも直さないことを申し訳なく感じてきて、ソラ先輩の上着をくいっと掴んで視線を下ろした。




「ごめんなさい……。塑羅緒さん……」


人前では簡単に言えるくせに、本人に向かって言うのはなんだか恥ずかしい。

大事なことを言えない情けない口だ。



「ありがとう。でも無理しなくていいよ。記憶をなくす前の風子をもう一度見れたみたいで嬉しかった」



「……前の私がまだ忘れられないんですね」