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愛おしいキミに極甘な林檎を
第47章 白い雪と優しい熱

入院していた時に言っていたソラ先輩のことを僻んでいる人はその人なのかな……。
仕事に復帰することを喜びたいけど、体調を崩すほど悩みのある場所に行かれるのはあまり好ましくなかった。
「そんなに会社の経営が危なかったんですか?お給料もいいですし、毎月ちゃんと振り込まれてますよね」
一年しか違わないのに私の給料より断然多い。だから生活を支えてもらっているくらいだ。
「いいや、そういうわけではないみたいだから給料については安心していいよ」
伏し目がちにソラ先輩は言って私の背中に手を回した。
「逃げたと思ったら、手のひらで踊らされていただけで逃げきれなかったんだ……」
「……逃げる?」

