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愛おしいキミに極甘な林檎を
第47章 白い雪と優しい熱

月曜日。私とソラ先輩は久しぶりに家の外に出て、お互いの会社へと向かった。
本調子ではなかったけど普段通りに仕事をこなすことができた。
残業を終えてマンションへ帰ると、エントランスで新くんとばったり会う。
「こんばんは……。また偶然会いましたね。この前はありがとうございます……」
「いえ、新くんは風邪が治りました?」
「名前を覚えていてくれて嬉しいです……。風邪を拗らせちゃいましたので、これから病院に行くところです。お姉さんは大丈夫でしたか?」
「あはは……。実は私も風邪引いて昨日まで寝込んでました」
「うつしてしまってすみません……。ボクのせいで可哀想な目に合わせてしまいましたね……。
お姉さんには元気でいて欲しいのに……」
新くんは目を細めて私を見つめて、髪に触れようとしてくる。
この前見たのと同じ、冷たい瞳。
それに吸い込まれてしまいそうで私の体は動かなかった。

