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第47章 白い雪と優しい熱

あと少しで新くんの指先が髪に触れそうになった時、ポケットに入れていたスマホのバイブが鳴った。


そのおかげでハッとして一歩後ろへ離れる。


スマホを取り出して確認するとソラ先輩からだった。


「あ、電話だ……」


「そうですか……。では、ボクはこれで……」



軽くお辞儀をして新くんが過ぎ去っていった後、立ち尽くしているとソラ先輩が帰ってくる。


「おかえりなさい。今、隣に住んでる人が出て行きましたが見ました？」


「ううん。俺は誰にも会ってないよ」


「そうですか……。あっ、仕事はどうでした？」


「普通だったよ。風子はどうだった？」


「私は課長に心配されましたよ。しかも、塑羅緒くんにうつしてまた熱を出させるんじゃないぞって言われて。
課長はどっちの心配をしているんでしょうね」