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愛おしいキミに極甘な林檎を
第47章 白い雪と優しい熱

心配した顔をしながら着てきたコートを私の肩に掛けてくれる。
ルームウェアだけでは心許なかったから温かい。
「すみません、ソラ先輩。少し立ち話をしていました」
「ポストを見に行くにしては帰りが遅いから何かあったのかと――――」
「――――お姉さん」
コートの袖に腕を通していると新くんが戻ってきた。
今日は降雪量が多いのか髪の毛には雪がのっている。
新くんはソラ先輩の方を見て少しだけ口角を上げてから会釈をした。
「……どうも。これ、うちの手紙と間違えて持っていきそうになりました……」
そして動じずに落ち着いた様子で言って私に郵便物を渡してくれた。
「わざわざすみません。ありがとうございます」

