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愛おしいキミに極甘な林檎を
第48章 大切なキミの笑顔



もう…頑張っているのに……――――


それから何度叱られても上にあがれることはなかった。


帰ると家にいるのは祖母と家政夫。そしてたまに祖父。


父は仕事、母は勉強しに出掛けていて忙しくてじっくりと話を聞いてもらえなかった。


数々の習い事をやめたいのに、やめることもできない……。



そんな生活が嫌になったのは、小学二年生の夏休みが終わってしばらく経ったあと。


父と祖父が話しているのをドア越しにソラ先輩が聞いてしまった。



「――――色んなものを習わせてもこれといって何の才能もない。塑羅緒は失敗作だ」



「まだ小学生なんだから分からないですよ。父さんは厳しすぎます」


「おまえは親として甘すぎる。そんなのでは優秀な子供に育たないぞ」


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