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愛おしいキミに極甘な林檎を
第48章 大切なキミの笑顔

逃げるタイミングを見失っていたけど、キスをしている間にさっさとこの場から去ることにした。
早く帰らないと肉まんが冷めてしまう……。
自分の部屋のドアの前まで行って鍵を挿した時、新くんがやって来て私の腕を掴む。
追い掛けてきたのでさえ気づいていなかったから、触れられた瞬間に反射的にビクッと肩が強張った。
この前、ソラ先輩に言われたことが頭に浮かんできてすぐに手を振り払う。
「待ってくださいよ、お姉さん。……なんか前より態度が冷たくないですか?」
「いいえ。こちらこそいいところを邪魔してすみませんでした。……私は忙しいので失礼します」
「――――お姉さんの彼氏なら今日は残業をしてますよ」
ドアノブを握って中へと入ろうとすると気になることを言われて足が止まる。
「やっぱりそうなんですね。この前、大空さんとお姉さんが話しているところを見掛けたからボクのことを聞いたのかなって思いまして……」

