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愛おしいキミに極甘な林檎を
第48章 大切なキミの笑顔

「ごめんなさい。すぐに済む用事しか思い浮かばないので」
「教えてもらいたいことがあるだけなんです。だからお願いできないでしょうか……」
私も譲れなくてしばらくこのやり取りが続いた。
意外と新くんも強情な人のようだ。
でも外で雪が吹雪いてきたのが見えて段々可哀想に思えてきた。
「あー、もう!仕方ないですね。待っていてください」
すぐに用事が済むと思ってコートも羽織らず玄関のドアを開けた。冷たい風が隙間から入ってくる。
毎日会社に着ていくスーツからまだ着替えていない。
穴が開かないようにストッキングだけ脱いでいたから足が寒い。
ガタガタ震えながら顔を上げると、私が外に出てたのが嬉しかったのか新くんは微笑んでいた。
「お姉さんはやっぱり優しい人ですね……。この前、意地悪と言ったことは訂正します」
「それで、外に出ないと分からないことってなんでしょうか?」

