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愛おしいキミに極甘な林檎を
第49章 揺らぐ未来、そして……



「雪原くんは会社の後継者になる予定だったみたいなんだ。それをお爺様が会社を買収したせいで、話がなくなってしまった」


「買収した会社ってソラ先輩のお爺さんの会社だったんですか……」



「うん……。関係ない会社に務めたつもりだったんだけど、まさかこうなるとは思っていなかったよ」


そういう事だったんだ……。


後を継ぎたかった雪原くんとお爺さんから逃げたいソラ先輩。


詳しいことは分からないけど、私がどう足掻いても二人は相容れることのない関係だと思った。




それから浴室へと向かい、いつも以上に念入りに体を洗ってからリビングへ戻るとソラ先輩は椅子に座って俯いていた。


拳を作って歯を食いしばり、感情を抑えていたから、どれだけの怒りを堪えていたのか分からない。


ぶつけられる物があるなら少しは楽になれるんだろうけど、他の物にあたることをしないソラ先輩はとても苦しそうだった。


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