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愛おしいキミに極甘な林檎を
第49章 揺らぐ未来、そして……

いつものように笑って幸せに暮らしたいのに、私のせいで空気が重くなる。
今だってソラ先輩が私を喜ばせようと大好きな物を買ってきてくれても晴れた笑顔を浮かべることはできなかった。
皿に取り分けたチーズケーキを何度か口に運んでも気持ちがどんよりしているせいで食が進まない。
「美味しい?」
「はい。美味しいです」
「今週はどこか出掛けようか。行きたい所はある?あっ、買い物でもする?」
「……ごめんなさい。どこにも行きたくないです」
「じゃあ、ゆっくり過ごそうか。寒いから家で過ごすのもいいよね」
「…………」
元気づけようと気を使ってくれているのに、未だに引きずっている自分が嫌になってくる。

