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愛おしいキミに極甘な林檎を
第49章 揺らぐ未来、そして……



「今日も帰りが遅くなるから」


顔を見てくれたのは一瞬だけでさっさと準備を済ませて玄関へ向かった。


「っ……、うぅっ……、ソラ先輩待ってくださいよ」




潤んだ声で呼び止めても待ってくれなくて、パタンと閉まったドアの音が虚しく部屋中に響く。



なんで……、どうして……?


解決しない疑問に胸がギリッと痛む。


引き止めようとして伸ばした手から力が抜けた私はその場で立ち尽くしてボロボロと涙を流した。




それから私も仕事に向かったけど、泣いて充血していた目は化粧で誤魔化せなかった。


バレないように下を向いて歩いていると、後ろからやって来た課長に肩をトントンッと叩かれて仕方なく振り向く。


「乙羽、最近元気がないみたいだが大丈夫か?しかも目が腫れているし、何かあったのか」


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